Regions
Japan
Year
2026
Award
WINNER
Client
Higeta Shoyu Co., Ltd.
Affiliation
MR STUDIO and Chuo Nittochi Co., Ltd.
Designer
Nobuaki Miyashita, Yukari Hirose, Miki Kase, Hideaki Tomita
English
HIGETA SHOYU, one of Japan’s most prestigious soy sauce makers with over 400 years of history and honored by the Edo Shogunate, pioneered the use of wheat as a main ingredient—a breakthrough that shaped Japan’s soy sauce culture. Its new headquarters in Nihonbashi, the historic gateway of Edo’s food trade, embodies “fermenting culture,” uniting tradition and innovation. Golden louvers recall both waving wheat and brewing barrels. The design revives the wind that once flowed through Edo Nihonbashi, visualizing the poetic motion of wheat fields. Inside, natural materials and soft light express HIGETA’s harmony between heritage and progress.
Native
ヒゲタ醤油は1616年、下総国銚子で第三代田中玄蕃が「たまり醤油」の製造販売を始めたことに起源を持つ、創業400年を超える老舗である。1697年に小麦を加える革新的な製法を確立し、濃口醤油の原点を築いたことは、日本の醤油史において特筆すべき出来事であり、同社の進取の精神と伝統の象徴でもある。本計画は、400年にわたり暖簾を掲げてきた日本橋の地に、ヒゲタ醤油が築く新たな本社ビル(ヒゲタビル)のプロジェクトである。新社屋はRC造地上7階建てで、ファサードには企業の顔としての明確な視認性と、歴史と理念を象徴する強いアイデンティティが求められた。設計では、その歴史的背景を踏まえ「小麦」をデザインのモチーフに採用。ファサードを覆う黄金色のルーバーは小麦畑を想起させ、400年前のこの地に吹いていた風をコンピューターで解析・再現することで、風にそよぐ穂先のような柔らかなリズムを建築に与えている。この揺らぎはヒゲタ醤油の品格と未来への歩みを物語り、日本橋という歴史ある地に吹く「記憶の風」を現代建築として可視化する試みでもある。銚子で醸された醤油は水運によって江戸へと運ばれ、やがて江戸幕府より「最上品」の称号を授かり、宮内省御用達の栄誉を受けるなど、その品質と信頼は幾代にも継承されてきた。この新本社ビルは伝統と革新の精神を織り込み、400年の物語に「次の400年」への意思を重ねた建築である。
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